発掘調査事業・出土遺物等整理
平成25年度実施事業
発掘調査事業
和歌山城跡発掘調査(和歌山市)
今年の8月から和歌山地方合同庁舎の建設に先立ち、和歌山城跡の埋蔵文化財発掘調査を実施しています。期間は来年(平成26年)2月までの予定で、調査箇所は『和歌山城下町絵図』によると「佐野伊左衛門」の屋敷跡になります。調査では石組遺構が検出され、遺物は瓦を始め陶磁器・土師器・土人形・金属製品の銅銭・煙管(きせる)等が出土しています
石組遺構 |
根来寺遺跡(第3次)発掘調査(岩出市)
今回の調査地は南北に延びる尾根の西側斜面でしたが、わずかな平坦地に中世のものと考えられる敷地の痕跡を確認しました。
斜面を伝って流れ込む雨水等の排水を考慮して設けられた水路や石垣は、険しい地形を造成して敷地を確保した当時の人々の苦心が窺えるものでした。
調査地遠景 | 石垣検出状況 |
和田遺跡第2次発掘調査(和歌山市)
和歌山市の南東部、和田川の南に所在する本遺跡は弥生土器の散布地として知られていました。今回の調査では、弥生時代の土器を廃棄した土坑状遺構や自然流路(川)、古墳時代の掘立柱建物、井戸、土器が入った土坑、溝状遺構などを確認しました。自然流路は2条検出しており、この内の1条は第1次調査で検出した続きのもので西に延びていることを確認しました。
調査地遠景 | 古墳時代の土坑 |
出土遺物等整理事業
六十谷(むそた)遺跡出土遺物等整理業務 (和歌山市)
平成23年度から調査を実施した六十谷遺跡(第1~3次)より出土した遺物等の整理業務を行っています。遺物は弥生土器をはじめ、瓦器、土師器、磁器などの土器類や、石鏃や石錐(せきすい)、石包丁などの石製品、銅銭などの金属製品も出土しています。
弥生時代中期の土器棺 | 石鏃と石錐 |