川辺(かわなべ)遺跡の発掘調査(和歌山市)
都市計画道路西脇山口線道路建設事業に伴い発掘調査を実施しました。調査の結果、古墳時代以前の土坑や古代の水路、鎌倉時代の水田を確認しました。調査区付近が水田となったのはこの鎌倉時代以降で、それ以降近年まで水田として利用されてきたことが窺えます。
調査地全景 |
岩橋千塚(いわせせんづか)古墳群の発掘調査支援業務(和歌山市)
和歌山県教育委員会が行った大谷山22号墳及び天王塚古墳の発掘調査の支援を実施しました。調査の結果、昭和39年に関西大学考古学研究室の調査により検出された円筒埴輪列に続くとみられる円筒埴輪列を確認しました。また、全てのトレンチで墳丘と基壇の裾が確認できたことから、墳長が約70m、全長が約80mであることが分かりました。築造時期は6世紀前半で、大日山35号墳とほぼ同時期に造られたものと考えられます。
大谷山22号墳1トレンチ全景 | 大谷山22号墳円筒埴輪列 |
神前(こうざき)遺跡の発掘調査(和歌山市)
県道秋月海南線道路改良工事に伴い発掘調査を実施しました。調査の結果、弥生時代前期・中期の土坑や中世の庇付きとみられる掘立柱建物などを確認しました。この調査により、当地域における弥生時代の集落の南限が確認されました。
中世の掘立柱建物 | 弥生時代の土坑 |
平井(ひらい)遺跡(第3・4次)の発掘調査(和歌山市)
一般国道26号第二阪和国道建設に伴い発掘調査を実施しました。その結果、第3次調査では、弥生時代の竪穴建物や方形周溝墓等を確認しました。また、第1次調査で検出された埴輪窯1基の剥ぎ取りを行い、窯本体は砂等で養生し現地保存作業を行いました。第4次調査では古墳時代の横穴式石室2基と、弥生時代の竪穴建物5棟を確認しました。
弥生時代の方形周溝墓 | 横穴式石室遺物出土状況 |
根来寺(ねごろじ)遺跡の発掘調査(岩出市)
根来寺周辺観光促進事業拠点整備に伴い発掘調査を実施しました。その結果、敷地を区切る石垣や井戸、暗渠排水溝等を確認しました。
調査地全景1 | 調査地全景2 |
出塔の水道(でとうのすいどう)の発掘調査(橋本市)
山田川砂防工事に伴い発掘調査を実施しました。調査の結果、扇状地を流れる山田川の左岸(北側) の湧水を集め、山田川床下を通って山田川右岸側に導水する暗渠構造の水利施設(出塔の水道)を確認しました。築造時期は、江戸時代中期後半である18世紀後半から末にかけてとみられます。
調査地全景 | 蓋石を外した状況 |
木津(きづ)遺跡の発掘調査(海南市)
国道424号の道路改良事業に伴い発掘調査を実施しました。調査の結果、掘立柱建物、柱穴、土坑、溝状遺構等が確認されました。出土遺物には瓦が最も多く、土師質土器、瓦器、青磁、国産陶器、金属製品等が出土しています。遺構や出土遺物等から、本遺跡は、寺院造営集団の屋敷地と推定されています。
調査地全景 | 出土瓦 |
立野(たちの)遺跡の発掘調査及び整理業務(すさみ町)
近畿自動車道紀勢線事業に伴い発掘調査を実施しました。その結果、弥生時代前期から中世にかけての自然流路・溝・土坑、柵列などが検出されました。集落の縁辺部に相当し、水田が営まれていた生産域であったと想定できます。なお、発掘調査後、出土遺物等整理業務を行い、発掘調査報告書を刊行しました。
調査地全景 |
立野(たちの)遺跡の発掘調査(すさみ町)
すさみ町公共施設移転事業に伴い発掘調査を実施しました。調査の結果、今回の調査地は谷状地形の最も低い箇所であったため遺構密度は希薄でるものの、弥生時代等の流路が網目状に展開することが確認されました。
調査地全景 | 弥生時代中期の土坑状遺構 |
出土遺物等整理事業
和田(わだ)遺跡の出土遺物等整理(和歌山市)
秋月海南線道路改良工事に伴う発掘調査の土器類、石器、鉄器等出土遺物等の整理業務を実施し、発掘調査報告書を刊行しました。
接合作業 | 実測作業 |
井辺(いんべ)遺跡及び神前(こうざき)遺跡の第3次出土遺物等整理(和歌山市)
昨年度より引き続き、都市計画道路松島本渡線(神前南)に伴う発掘調査の出土遺物等整理業務を実施しました。今回の整理では、遺物実測図のトレースや写真撮影、レイアウト等を行い、発掘調査告書を刊行しました。
実測図トレース作業 | 実測図レイアウト作業 |
和歌山城跡(わかやまじょうあと)(地裁・家裁・簡易裁判所地点)出土遺物等整理(和歌山市)
和歌山城地家簡裁庁舎建設に伴う発掘調査により出土した遺物等の整理を実施しました。整理作業では出土遺物の洗浄・注記・接合を行い、必要に応じて補強・復元・実測・トレースを行い、発掘調査報告書を刊行しました。
三葉葵紋鬼瓦 | 軟質黒釉陶器鳥形香炉 |
和歌山城跡(わかやまじょうあと)の第1次出土遺物等整理(和歌山市)
和歌山地方合同庁舎新築工事に伴う平成25年度和歌山城跡発掘調査により出土した遺物等の整理を実施しました。出土遺物整理の基礎作業として、水洗、注記、出土遺物の破片の接合関係を検討し、接合・補強を行い、遺物の復原・実測・トレースを行いました。
接合作業 | 実測作業 |
近畿自動車道紀勢線事業に伴う第2 次出土遺物等整理(田辺市、西牟婁郡上富田町、白浜町)
昨年度に引き続き、近畿自動車道紀勢線の事業に伴い田辺市の目座遺跡・八丁田圃遺跡・稲成Ⅰ遺跡、西牟婁郡上富田町の塗屋城跡・岩崎大泓遺跡・岩崎大泓Ⅱ遺跡、西牟婁郡白浜町の田ノ口遺跡・大古Ⅱ遺跡・安宅本城跡の9遺跡13箇所にわたる調査により得られた出土遺物及び遺構図面・遺構写真等の整理を実施しました。本年度は、調査報告書作成に伴い遺構図面のトレース、遺物の復元、実測図作成・トレース・レイアウトのほか、遺構写真については遺構写真図版等を作成しました。
実測図レイアウト作業 | 大古Ⅱ遺跡 出土遺物 |