琴ノ浦温山荘茶室の美装化事業
温山荘園は実業家新田長次郎により大正期から昭和初期にかけて造営された広大な別荘庭園であり、主屋、浜座敷、茶室の3棟が重要文化財に指定されています。
今回は、文化庁の新たな補助制度『重要文化財建造物の美装化事業』を活用し、茶室外周の板戸や漆喰壁の補修を実施し、平成28年9月に完了しました。
板戸は目の詰まった良質な材料が使用され、外側が鎧張り状に見えるよう戸板を削りだすなど高度な技術が駆使されています。破損の進んだ板戸は一旦分解し、丁寧に各部材を補修して組み立て直し、本来の瀟洒な外観を取り戻しました。
写真(1) 外周の美装化工事が竣工した茶室
写真(2) 分解した板戸部材の継木修理の様子